
引用元:本屋大賞公式ページhttps://www.hontai.or.jp/
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はじめに
みなさんは読書はお好きですか?
わたしは根っからの本好きでジャンル問わずに年間100冊を読んでいました。そんな本好きが転じて、大手出版社に就職したこともあります。近年では、KindleやAmazonによる電子書籍の参入によって、出版不況と言われていますがわたしは、まだまだ本は廃れないと思っています。スマホが普及されても、人間学びを得る媒体は「本」だと考えています。
今回の記事は、わたしが大好きな「本屋大賞受賞作品」についてです。主に、小説をメインに作品をとりあげられています。文を読むことが苦手な方でも、コミカルでライトな小説なら、読めると思います。わたしがおススメする、続きが気になりすぎて二日で読んじゃった作品をご紹介させていただきます。
読書好きさんもちょっと本読んでみようかなと思われた方も、ぜひ本屋さんに足を運んでみてください!!
本屋大賞はこんな賞だ!
先ほどもお話しましたが、近年では本が売れなくなってきています。出版不況と言われる時代に少しでも、本を手にとってもらいたい…そんな思いからこの本屋大賞が生まれました。この賞の面白いところは、本を購入する顧客が「おもしろい!」と思った本に投票するのではなく、全国の新刊書店員が読んで「おもしろい!この本売りたい!!」と思った作品が賞候補にノミネートされます。
これは、とても画期的な賞だなと思いました。本に対してベテランの書店員だからこそ本当に推せる作品が候補にノミネートされていきます。小説という括りではありますが、実に様々なジャンルの小説が今までに紹介され。大賞をとってきました。出版業界に新しい風を吹き込み、現場から盛り上げられないかということで、立案されたそうです。今や本好きが大注目するイベントとなって毎年盛り上がりを見せます。わたし自身も受賞候補作品が発表されると、すぐに書店でチェックを行い大賞作品の予想をしたりします。色々な楽しみ方ができるこの「本屋大賞」一度、チェックしてみてはいかがでしょうか。
2019年受賞作品「そして、バトンは渡された」

引用元:紀伊國屋書店https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784163907956
2019年、今年の受賞作品は瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」(文藝春秋)でしたね。
10作品ノミネートされた中から435点というぶっちぎりの点数で本屋大賞を受賞されました。わたしが好きな作家さんの作品もノミネートされていましたが、残念今年は大賞に及ばずでした。
こちらの作者の瀬尾まいこさんは、大阪出身で大谷女子大学国文学科を卒業されています。2001年の坊っちゃん文学大賞を受賞されており、受賞作品「卵の緒」で作家デビューされています。本作品は、血縁関係はないけれども、「家族」として愛し愛される主人公17歳の物語になっております。瀬尾先生の優しくてほっこりする文章のタッチが心にじんと染みこんできます。血が繋がっているという事実よりも、実質は他人かもしれないけれど、信頼という強い関係性が家族を繋げていく…切ないけれど、ほっこっりする作品でした。これは、全国の書店員さんが推すのも納得です。ぜひ、手にとってみてください。
↓瀬尾まいこさんの過去作品はこちら↓
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おススメ本屋大賞作品4選!
ここからは、わたしが本屋大賞受賞作品でおススメの本をご紹介します!年代が新しい順番で紹介しています。気になった本は手にとって読んでみてください!
かがみの孤城

引用元:ポプラ社https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008113.html
・著者:辻村深月(つじむらみづき) 出版社:ポプラ社 受賞年:2018ねん
去年の本屋大賞ですね!651点と高得点で、誰もが認める「おもしろさ」がありました。わたしは、元から作者の辻村深月さんのファンだったので、初の受賞と聞いてたいへん喜びました。以前にも、辻村深月さんの作品は3回ノミネートされています。この「かがみの弧城」わたしは、読み進めていくうちに続きが気になって気になってまる二日で完読してしまいました。辻村深月さんの作品は、ファンタジーな独特の世界観から、主人公や物語に出てくる登場人物のやりとりから溢れる人間味がとても魅力です。
他作品の「ツナグ」も、読んでボロボロ泣きました。切なかったり、苦しかったり…本の中のお話なのに実際に自分がそこに居合わせているような錯覚に陥ります。文章で映画と同じような臨場感が表現できる、辻村さんの感性はすごいなと感心します。
この作品も、不登校の主人公が不思議な鏡の世界で「自分さがし」をするお話です。謎があったり、その伏線回収が華麗だったりドキドキワクワクする作品です。まだ、読んだことがない方に一番おススメしたい作品です。大人から子供まで楽しめるそんな内容になっています。読み終わったあとに、読んでよかったと絶対思えるのでぜひ手にとって辻村ワールドに迷い込んでください。
蜜蜂と遠雷

・著者:恩田陸(おんだりく) ・出版社:幻冬舎 ・受賞年:2107年
こちらの作品は直木賞と本屋大賞のダブル受賞でとても話題になりましたね。恩田陸先生の蜜蜂と遠雷は、今年の10月4日に映画化され上映される予定となっています。500ページ以上の超大作になっているこの作品は、ピアノコンクールを題材に様々な思いでそのコンクールに挑む人々の人間模様を描いている作品です。持ち運びが少々重くて難しいですが、現在は文庫化されているので、手にとりやすくなっていると思います。ちなみに、わたしは単行本のまま持ち運んでいました(笑)
恩田先生の素晴らしさって、なんといっても綿密で繊細な表現の仕方だとわたしは考えています。「文章に綿密で繊細な…なんてわかるもんなの?」と疑問に思われた方いらっしゃると思います。まず、この題材が耳で聞くはずの「音」なんです。音を文章で表現するってとても難しくないですか?しかも500ページ越えで、物語の進行していかないといけない…恩田先生は天才ですね!ピアノの音が登場人物一人一人違った音で聞こえてくるなんとも不思議な作品となっています。
舟を編む

・著者:三浦しをん ・出版社:光文社 ・受賞年:2012年
わたしが大好きな作家さんの一人である、三浦しをん先生。この作品は、「辞書」を作る人たちにフォーカスをあて「言葉」をテーマにそれぞれの登場人物が言葉に対する考えや思いが描かれたヒューマンストーリーです。紙の辞書、最近使ってますか?辞書を作るにあたってもたくさんの人たちのさまざまな思いが込められているのがわかります。本を読むにこともそうですが日本語の美しさがひしひしと物語の中から伝わってきます。主人公が新しい人に出会っていくたびに、多様な考えを受け入れ自分自身も変わっていく姿にとても励まされます。仕事への情熱、自分との葛藤そして恋心…どこか現代には浮世離れした辞書の存在でこんなにも人間臭い物語が紡がれていることに感動しました。一見、読みにくい題材かなと思いますがどんな方でも楽しめると思います。また、辞書がどのように作られるのか、紙一枚にも込められる思いや辞書作りの知識も一緒に学べます。元出版社員のわたしからしたら、とても懐かしい言葉がたくさん出てきて違う視点で読むことができました。小説家だからこそ織りなすことができる「言葉」に対しての物語…。舟を編む、タイトルの通りですね。このタイトルにとても納得しました。ぜひ、完読したあとにタイトルをもう一度見てください。奥深さが伝わってきますよ。
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博士の愛した数式

・著者:小川洋子 ・出版社:新潮社 ・受賞年:2004年
本屋大賞第1回の受賞作品です。この作品を始めて手にとったのは、中学生のときでした。数学が当時大嫌いだったわたしにとって、このタイトルはショックでした。数学が得意ならまだしも「愛した」って…信じられない…という思いがきっかけで読みました(笑)
しかし、読み進めていくうちに時間も忘れて没頭していました。確かに、数式は出てくるし登場する博士はどこか変わってるなと思いました。ただ、それだけのお話じゃなくて、また家族以上の繋がりを大切にするお話でもあるし数学を通して主人公と博士の関係がより深い絆のようなもので結ばれていくのが実感できます。最初、中学生で読んだときわからなかった、小川先生の思いが再度読み返したときわかったような気がします。切ないのにどこか優しくて心温まるストーリーに、胸が熱くなりました。また、今年の瀬尾先生とは違った、家族以上の繋がりを表現した一冊ではないでしょうか。数学苦手な人も、この作品を読んだら少しでも数学が魅力的に見えてくるかも…(笑)
この作品も実は本屋大賞受賞作!
ここからは、この本「本屋大賞作品だったのか!」と少し意外な作品たちをご紹介。この大賞をとったことによって映画化・ドラマ化されているものもあるので気になった方はチェックしてみてください。

謎解きはディナーのあとで

・著者:東川篤哉 ・出版社:小学館 ・受賞年:2011年
桜井翔さんと北川景子さん主演のドラマ化でヒットしましたね。実はこの作品2011年度の本屋大賞受賞作品でした。おてんばなお嬢様と頭のキレる毒舌執事による推理小説です。毎回、お嬢様の好奇心による事件解決に辛辣なツッコミうを入れる執事の姿にクスっとなりました。うまく映像化できてるなと思います。小説ならではの物語や面白さがあるので、ドラマしか見たことない方はぜひ原作を読んでみてください。
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告白

・著者:湊かなえ ・出版社:双葉書店 ・受賞年:2009年
松たか子さん主演の予告編で話題になりました。映画のインパクトがとても強い作品だと思います。ただ、映画は様々な場面をピックアップして構成されているので、映画では登場していない人物や、視点がたくさんあります。多くの登場人物視点が集まって最終的にあの有名なシーン「どっかーん」まで、一気に駆け抜けます。小説なのにすごいスピード感でこの作品は進んでいきます。生きるとは何か、死ぬということは何か、この社会での生死への考え方をリアルに表現されています。映画だけではわからなかった真意をぜひ目の当たりにしてください。
東京タワーオカンと僕と時々、オトン

・著者:リリーフランキー ・出版社:扶桑社 ・受賞年:2006年
多彩なリリーフランキーさんによる、自身の母親との半生を綴った作品です。この作品には何回泣かされたかわかりません(笑)主人公を育てるお母さんの元気でどこか抜けていてそして優しい感じがとても伝わってきます。女性一人の子育ては、大変ですが疲れを見せないお母さん、そしてどこか憎めないお父さん。オダギリジョーさん主演の映画でも感動して涙しました。なんだか、心も体も疲れたな…という方に読んでもらいたい作品です。
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さいごに
本屋大賞に選ばれるテーマがどこか「家族」が多いような気がします。個人を尊重する現代社会ですが、たまには家族の温もりを感じてほっこりするのもいいのかもしれません。さて、わたしの大好きな先生の作品がまだノミネートされてないので、来年こそは受賞候補に名前があがって、本屋大賞受賞してほしいなと思います。
大好きな本を紹介するとついつい、熱がこもってしまいますね。紹介文が口説くなっているかもしれません。紹介した作品以外にもたくさんの面白い本がまだまだあるので、また紹介させていただきます。本屋さんで本をとるキッカケになってもらえたら嬉しいです。
今回も、おつき合いいただきありがとうございます!